家事使用人の女の子といろんな話をした。
一緒にタマネギむきながら。
英語は知らない、
日本も知らない、
でもとってもおいしいカレーを作ってくれる女の子。
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彼女が15歳だということ。
6人兄弟の二番目だってこと。
ダッカは故郷ではなく、自分の村はここから7時間くらいかかる村 にあること。
お父さんがずっと病気で働けないこと。
貯金はすべて治療代に終わってしまったこと。
お母さんは家でお父さんの世話をしてるってこと。
お兄さんは結婚して子どもがいること。
村では3年生まで学校に通ってたってこと。
下の弟はまだ小さくて、お金を稼げるのが自分しかいないこと。
去年から村を出て、家事使用人として働いていること。
次に家に帰るのは半年後だってこと。
村の自然はとってもきれいで大好きだったこと・・・
そして、
『日本の家では家事使用人として働く女の人は何人いるの?』
とい う質問をされた。
「んー・・・いないかな」
『え、いないの!?』
「うん、たいていお母さんが料理も洗濯もするかな」
『そうなんだー・・・じゃあ、日本はだめかー』
「え?なにがだめ?」
『外国で家事使用人として働けば、たくさんお金が稼げるから、
お父さんの治療代の借金を返せると思ってるんだ。でも日本にはいな いんだね。』
・・・私たちが普段、
留学したい、
海外に住みたい、
外国で暮らしたい、
世界を旅したい、
なんて話してるのとは違う次元で、
外国にいくことを夢見てる少女がいる。
誰にも知られないこの場所で、毎日掃除と皿洗いをしながら。
自分の楽しみのためでも、
自分の勉強のためでも、
自分のキャリアのためでもなく。
あー
生まれたときから、私と彼女の持つ可能性はこんなに違うんだ、っ て。
かわいそうとか助けてあげたいとかでなく、
私がどんなにどんなに恵まれた環境で生きてたかっていうことをも う一度味わった。
ラッキーなんて言葉で片付けたくないけど、
「さやかはラッキーだったね、日本に生まれて。」
って前にも言われたことを思い出して、
ああその通りなのかもしれないとも思った。
だからこそ、
わたしはわたしの人生を精いっぱい生きなきゃなって思った。
彼女のこぼれるような笑顔と、大きな目を、私は忘れない。
いろんなこと聞かせてくれてありがとう。
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