「もしかして、日本人ですか?」
隣に座っていたこの写真の女性に声をかけられました。
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わたしはこの5日間、
ユニセフとバングラの厚生省のような省庁が予算を組み、
地元のNGOが実施しているワークショップ型トレーニングを取材させもらっています。
(ホルタルというストライキ中で交通機関がマヒしてるので
片道1時間、徒歩とボートで通うのですが・・・)
バングラデシュ人が、バングラデシュ人を相手にするワークショップやファシリテーションが
どんなものか見てみたかったので。
テーマは「子どもの健康と権利」。
早期婚はダメだよ、とか、
子どもには遊ぶ権利もあるんだよ、とか、
何歳までは何を食べさせてはいけない、とか、
鞭でたたくのは虐待です、とか、
こういう病気になったらすぐ病院へ、とか・・・
それぞれの村から2人ずつ、計75人が選ばれ、
この5日間のトレーニングを受けています。
これが終了すると、この75人はそれぞれの村に戻り、
今度は村人を相手にワークショップを開き、
自分が学んだことを伝える役になるのです。
5年計画のこのプロジェクトは、
全部で10つの郡のすべての村人まで伝えていくのが目標だそうです。
少数民族の村の場合特に、ベンガル語で受けたトレーニング内容を、
ベンガル語が分からない村人には今度は民族語で伝えなくてはならないわけで、
現在、最初にトレーニングを受けている、
それぞれの村から選ばれた72人はキーパーソンなのです!
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さて、この女性に話に戻ります。
彼女は1年生から8年生、日本のお坊さんが作り、
日本の支援で続いてきた孤児院に暮らしそこから学校に行っていたそうです。
よくよく聞くと、わたしが先週訪れた「マハムニ母子寮」という寄宿舎でした。
「日本の人たちのおかげでね、学校に行けてたんだわたし!」
そうやって嬉しそうに教えてくれる彼女は、
そのあと高校を卒業し、大学で学び、
いま、村の代表として、このトレーニングに参加しています。
「村の人たちに、わたしが伝えるんだ、今度は。」と一生懸命に。
教育って、成果がすぐ目に見えて出るものじゃないかもしれない。
でも、40年前のバングラで子どもたちのために、
と活動を始めた当時60歳だった住職さんの、
その想いは確実にカタチになっていました。
彼が天国で、いまの彼女の笑顔と活躍を見ていらっしゃるといいなあ。
きっと、すごくすごく喜んでいるだろうなと、思います。
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