【今日の1枚 from Bangladesh】
バングラ最高峰、
首都のダッカ大学を訪れたときのこと。
目の不自由な男性と、
その男性の手を引きながら歩いているもう一人の男性が、
校門から出てきました。
あれが友人だったのか兄弟だったのかわからないけれど、
「あ、雨が降ってきたね。」
「うん。でも遠くの空は晴れているよ。」
そんな会話を聞きました。
すごく、すごく、びっくりしました。
目の見えない人に会ったことに、ではありません。
この国の都市では、日本にいるよりもはるかに頻繁に、
障害のある人を目にします。
彼らは、物乞いであることがほとんどです。
目が見えない人、
手がない人、
足がなく松葉杖で歩いている人、
皮膚がただれて血が出ている人、
腫瘍が大きくなりすぎて顔が完全に変形している人、
ケガの箇所が化膿し虫がわいている人、
あごの骨がはずれてよだれが流れ続けている人、
頭蓋骨に穴があいている人・・・・
うだるような猛暑の中、
歩道で、車道で、
ときには、
目を覆いたくなるような「不自由」である箇所をこちらに差し出しながら、
深い悲しみを宿した目でこちらを見つめながら、
「お金をください」「10円ください」と繰り返します。
車の窓ガラスをたたき続けます。
そして、これは子どもであることも多いのです。
よりかわいそうな方が、より痛々しい方が、お金が集まる。
誰でも知っている、ここでは当たり前のこと。
慣れたくないけれど、
だんだん感覚がマヒしてしまうほどたくさん出会う物乞い。
だから、そんな光景が当たり前のこの地で、
目の不自由なあの男性が、
友達の助けを借りながら、
大学で勉強しているんだということにすごく驚きました。
五体満足であっても、
生きていくのに精いっぱいの日々。
時間はかかるかもしれない。
でもいつか、
障害のある人でも暮らしやすい社会に少しずつ動いていったら嬉しい。
世界から注目されるめまぐるしい経済の発展とともに、
そんなところも見落とされることなく発展していってほしい、と感じました。
彼らのこの後ろ姿に、この日すごく元気をもらいました。
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